中国経済の危機


環境問題でなぜ経済が出てくるのか?名前が似ているから?(Ecology/Economy)
いや、実際には、経済を無視して環境問題を議論することはできない。
人間の活動は経済のために行われていて、経済を悪化させるような政策はとれないからである。
大規模な環境対策を行うためには、経済とのすり合わせが不可欠なのである。
逆に経済も環境問題を無視できなくなってきた。
かって経済規模が小さかった頃は、環境は無限に大きいと考えて良かったが、今の人類は地球環境約4個分の消費を続けている。
人類が地球の環境資源を食いつぶすのは簡単なことなのである。

では、なぜいま、中国の経済なのか?
つまり中国の経済問題は世界の環境にどのような影響を与えるのだろうか?
それを明確に示すことは難しいが、現在、最も大規模で、コントロールされない危機を抱えているのは中国ではないかと考える。
環境問題に限れば、その規模はインドとさほど変わらないかも知れない。
人口の大きさ、水不足、食料自給、廃棄物、二酸化炭素、エネルギー。
しかし、中国の経済成長には大きな問題がある。

中国には食料自給の裏付けがない。正確には、なくなりつつある。
逆に農民は貧困のため都会に出て働くしかない。そこでも奴隷のように差別されて厳しい生活を強いられる。
この流れが続けば中国の農業生産は激減する。
中国には大きな工業生産があり、多くの金持ちがいるのも事実だが、それを上回る貧困があり、国内需要の総和は大きくない。
人口が大きいので、それに比例して数字も大きくなるが、平均値としての国内生産力は未だに低い。
つまり、中国の国民には自国内の経済消費を支える力がないのである。
一方で、中国の工業製品はいまでも海外で売れているのだろうか。
かっては安い製品の代名詞だったが、今では労働賃金が高くなり、労働力はベトナムやインド、ミャンマーに移りつつある。
それにもかかわらず、毎年平均10%近い経済成長を成し遂げてきた。

Growth
この数字は本当なのか?
それに対して、以下の記事がある。

http://shuchi.php.co.jp/article/2072
記事 月刊誌『Voice』 2014年10月27日
死期の中国経済、共倒れの韓国経済 - 石平(拓殖大学客員教授)

抜粋
「中国経済はいま、死ぬか生きるかの瀬戸際に立たされている。
それを端的に示しているのは、今年8月20日に中国煤炭工業協会が公表した2つの数字である。今年1月から7月までの全国の石炭生産量と販売量は前年同期 比でそれぞれ1.45%減と1.54%減となったという。」

「本来なら経済の成長を支える国民の消費拡大がずっと低迷しているなかで、中国は結局、国内の不動産投資や公共事業投資などからなる「ハコモノづくり」の 規模拡大と、外国人の消費拡大に貢献する輸出の拡大を頼りにして高度成長を何 とか維持してきた。」

「しかし中国経済の抱える問題は「成長の終焉」だけではなさそうである。成長率の減速と同時進行的に、じつは今年の春先あたりから、以前から囁かれていた 不動産バブルの崩壊はにわかに現実味を帯びてきているのである。」

中国共産党は見た目の経済発展を支える政策をとってきた、と言う内容である。
結果として世界から多くの投資を受け、中国の二次、三次の産業が発展してきた。
しかし、その間に自然資源を浪費し、水・空気・土地・一次産業を含む生活インフラの疲弊を招いた。
環境というインフラはただで使えるが、それがなくなったときに”人”の生活は崩壊する。
中身のない経済バブルがはじければ、そのつけはとんでもない規模で返ってくるだろう。

昨年起きた上海株式市場の大暴落は、必ずしも中国経済全体の崩壊を意味するものではない。
まだまだ中国経済は大きな余力を残しているのも事実だ。
しかし、今までの上向き経済が維持されていればこんな暴落が起きるはずもない。
少なくとも工業的な経済成長さえも、水平に近くなってきている。

この指摘は1つの意見であり、現実の未来はだれも保障できない。
しかし、仮に中国経済が破綻した場合、その影響は大きい。
世界規模の不況のなかで、唯一の牽引役とみなされてきた中国経済である。
GDPでも日本を抜いて世界2位になった。
それが破綻すれば、影響はアメリカ、ヨーロッパ、アジア、あらゆる地域に飛び火する。
世界的な経済危機に発展する可能性が高い。

また食料の輸入ができなくなったとき、中国人民はどのように行動するのか?
内乱、戦争の可能性もある。
現在の日本バッシングは、危機を察した共産党の、国民に対するガス抜きとも推測されている。
だとすれば、本当の崩壊の際には日本にも大きな影響が予想される。
結局、環境問題のつけは、単なる物の不足や汚染だけではなく、経済の形でも世界中に広がるのである。

その危機が訪れるのは5年後かもしれないし、10年後かも知れない。あるいはもっと先かもしれない。
しかし、今の産業構造を永遠に維持することはできない。
今から各国内・国外の危機を緩和する政策をとっておかなければ、いずれ世界規模での破綻は避けられない。
最低限、そこで暮らす生命を支える環境を維持することは、経済においても必須の条件なのではないか?
そのことはもはや、人ごとではない。


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