8回レポート
( 逆翻訳は数学的理由で不可能なので、遺伝子に対して形質情報を伝えることはできない。)
進化とは、遺伝子の変化によって起きる生物種の形質の変化で、個体として発生した後から獲得した性質は子孫には伝わらないので、進化とは関わりがない。筋肉を鍛えて力持ちになっても、それは進化とは言わない。
遺伝子は突然変異(ランダムに発生する遺伝子の写し間違い)によって変化する。変異した個体のうち、より環境に適応したものが残っていく自然淘汰で、特定の遺伝子を持った生物が定着することで進化が起きる。
これはちがうね。
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生命は長い時間をかけて少しずつ環境に適応し進化していく。>その適応のメカニズムを説明することが課題なので、これだけでは回答になりません。
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子供に変異が起きて環境に適応することで進化する。>子供ではなく、親(の生殖細胞)に変異が起きて子供に伝わらないと、個体の進化にはなりません。
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いろいろなメカニズムで進化する。>どのようなメカニズムか限定しないと回答としては採用できません。また、現在知られている進化のメカニズムは1つしかありません。
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環境の変化によって進化する。>環境からの圧力で進化するのではなく、偶然の突然変異で進化が起こります。
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体験を親から子に伝えることで適応する。>これは文化です。進化と同等かそれ以上の適応能力を与えるかもしれないのですが・・・進化ではありません。
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適応しようという思いが積み重なって進化する。>残念ながらいくら願っても進化することはできません。しかし、個人の能力はいくらでも高めることができるので、努力は無駄ではありません。
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もともと環境に適応する能力を持っている。>生命が、もともとあらゆる環境に適応する能力を用意する、と言うようなことはできません。また、もともとあった能力を発揮することは進化とは呼びません。
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データ検索と推論で形質から遺伝子を作り出す。>それをする主体は誰か?と言う疑問が出ます。これはしばしば宗教論争に使われる議論なので、ここでは避けましょう。
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その環境に適応したから。>回答になっていないことに注意してください。問題は適応のメカニズムを聞いています。
誰?
生物の進化を適応の努力の表れとして説明しようとする人は多い。しかし、それは誤解なのである。
人は先入観を持って物事を理解しようとする。上の写真はいずれも顔のように見えるけれども、実際には偶然そのような模様があるだけでしかない。しかし、人は見たものを顔として理解する性質がある。
同様に、人は生理的に様々な先入観を持って物事を理解している。そのことを考慮して考察をしないとしばしば誤った考えに陥ってしまう。
バクテリアや植物などを見れば全ての生命が意思を持っているわけではない。生命が進化しようと努力したりはしないのである。
これはまた別の注意であるが、説明は現在正しく理解されていることを組み合わせて行う必要がある。
エピゲノム(エピジェネティックス)
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DNAの構造を化学修飾することで遺伝子の発現を制御すること。塩基配列以外=ゲノム外のコントロールという意味。
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例えば塩基をメチル化すると立体構造変化により転写が阻害される。このような遺伝子配列のメチル化は親から子に伝わり、生物の様々な性質をコントロールしている事が知られるようになってきた。
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ヒストンタンパクの化学修飾でも遺伝子の発現効率が変わる。
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これらが後天的に影響を受けることは間違いないが、種の変化として定着するにはやはり突然変異が必要と推測される。(絶対的ではない。)
Last update:Jan,20, 2014