第6回レポート
想定した解答は、脂質 と糖 。
脂質は生体膜を形成し、外部と細胞内を区分けするほか、選 択透過、生化学的反応場の形成(電子伝達系など)、イオン濃
度差の形成、膜電位の発生など、細胞に必須の機能を提供す る。そのほかにも、ホルモンの原料物質、脂肪の原料物質とし ての役割も果たす。
糖は単糖が栄養物質として働くほか、糖鎖構造が細胞間のシ グナルやタンパク質の機能補助にも使われる。また、DNAの構 造の一部も構成している。そのほか、ムチンやセルロースなど、 細胞外マトリクスとして構造の形成にも使われる。
その他の解答で、
○良い解答
ビタミン、ミネラル(金属イオン)、DNA、ホルモン、ATPなど は水、タンパク質ではなく、かつ生体に必須の物質と言える 。
△まあまあの解答
物質ではなく構造物:細胞膜、ゴルジ体、リボソーム
重要度の低さ:脂肪<脂質の間違いだと思われる。
×良くない解答
アクチンなど、タンパク質(問題の題意から外れる)
※
脂質、脂肪酸、脂肪を混同した解答がいくつかあった。名前は似ているが別の物質なので、違いを確認しておこう
。
脂質(Lipid):細胞膜を構成する、疎水部と親水部を持つ分子。
リン脂質はグリセリンに2本の脂肪酸がエステル結合し、もうひとつのOH基にリン酸とその他の基がエステル結合した分子。
リン脂質の構造
そのほかに、コレステロールやスフィンゴ脂質などがある。
コレステロールの構造
脂肪(Fat):代表的な脂肪の成分である中性脂肪(Triacylglycerol)はグリセリンに脂肪酸が3分子エステル結合したもの。実は脂肪は脂質の一種であるが、生化学の分野では生体膜を構成する脂質と、もっぱら栄養素である脂肪を役割上区別している。リン脂質のリンが脂肪酸に置き換わったものと考えられる。脂肪酸も脂肪のひとつと考えられる。
中性脂肪TG
脂肪酸(Fatty acid):脂肪からエステル分解で生成されるカルボン酸
炭素鎖の末端にカルボン酸が付いたもの。
脂肪酸の構造二重結合があると曲がる。